第二外国語なんて必要ないかもしれないけどさ…

上の漫画(?)は本文の内容とはあまり関係ありません。マルティン・ハイデガー(1889~1976)は『存在と時間』で知られるドイツの哲学者です。「存在」について研究していました。

私bitwin’は、実は最近ドイツ語を勉強しています。

自習室で必死に単語を覚えていると、友人たちに見かけられ、大抵次のような会話をします。

友人「何しているの?」

bitwin’「ドイツ語勉強してる」

友人「なんで?」「何に使うの?」「研究に必要なの?」

bitwin’「いや別に!趣味、かな?笑」

とここまで答えると、なかには次のように反応する方がいます。

友人「どうしてドイツ語なの?せっかく第二外国語やるなら中国語とかフランス語の方がよくない?」

今日は、こうした反応に対する回答として、記事を書いていきたいと思います!


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以下、便宜上英語以外の外国語を「第二外国語」と呼ぶことにします。

翻訳機械の発達と外国語学習

現在、第二外国語を学ぶ必要性は、小さくなっているということは言えても、大きくなっているということは言えないでしょう。

第二外国語学習への向かい風として、次の2つの現象が挙げられます。

(1)ビジネス・学問など様々な分野で、英語が事実上の世界共通言語になりつつある。

(2)翻訳機械が急速に発達している。

(1)について。私自身が専攻している政治学のことしかよくわからないのですが、一流の研究者を目指そうとするのであれば基本的にアメリカかイギリスの博士課程にいくように言われます。理系分野においても、基本的に論文は英語で書かれ、読まれるものだと聞きます(参考:東大発超エリート魔法使い登場!! 『天才』落合陽一さんの弱点は、英語で○○が注文できないこと!? – DMM英会話Blog)。

ビジネスにおいても、私は現場を見たことがないのでよくわかりませんが、最近では英語をできる人が増えていて、海外と取引する場合には基本的に英語でやり取りをすると聞きます。

ビジネス・研究など、要は金になる活動において、英語さえできていればなんとかなる状況になりつつあるのです(あとは政治外交などももそうでしょうね)。

(2)「翻訳機械が急速に発達している」について。去年ゼミ論文を書く過程で中国語の資料を参照しないといけないことがあったので、google 翻訳で日本語や英語に直して読んでいたのですが、おおよその意味はそれでつかむことができました。翻訳技術は今も進化中なので、今後もますます言語の壁は崩れていくことになるでしょう。

(翻訳技術の発達と語学のあり方については、こちらの記事にも管理人の考え方を記しております→少しづつ過去記事の英訳をしてみむとす。

話者が多いから◯◯語を学べ?

そんなこんなで、第二外国語を学ぶ必要性は低下しつつある、あるいは少なくとも、必要ないと考えられるようになりつつあるように思われます。

とは言っても、今のところはまだ、「第二外国語は完全に不要」という風潮になってはいません。多くの大学で第二外国語は必須になっていますし、各言語の学習をサポートする教材は書店やwebにたくさん並んでいます。

そこで一つ私が気になることがあります。ある言語を学ぶ意義の説明の仕方に関してです。

完全に私の印象でしかないのですが、外国語を学ぶ意義について次のようなことが書いてあるのをよく見かけます。

「中国語の話者は◯◯人!」

「(地図を出しながら)フランス語はこんなに多くの地域で公用語なのです!」

「スペイン語が話せたらこんなに多くの人とコミュニケーションが取れます!!」

このような観点から語学の有用性を解くのは何も間違ったことではありません。第二外国語を学ぶにしろ、どの言語を学ぶのが一番キャリアで役に立つかという視点で選ぶのは、非常に合理的な判断だと思います。第一、日本人の多くがどの外国語よりも優先して英語を学んでいるor学ばされているのだって、英語が事実上の共通言語になりつつあり、一番学ぶことの有用性が大きいからでしょう。

ですが、このような動機付けについてはどこか「なんだかな〜」と思うところがあります(ボキャ貧)。というのも、ある言語を学ぶ意義を、「話せると何の役に立つか」だけで考えてしまうことは、「世界でどれだけ使われているか」によって言語間に序列をつけてしまっていることになるように思われるからです。

今世界で地位の高い言語、たとえばフランス語やスペイン語、そして英語の話者が多いのって、昔フランス、スペイン、イギリスが植民地支配を積極的に行っていたからですよね?こう考えると、「◯◯語は重要である。なぜならば◯◯国はかつて強力な植民地帝国だったからである」という論理に思えて仕方がないのです(中国語やアラビア語などはまたちょっと違う話になりますが)。

これは、私にとって二つの意味で気持ち悪いです。一つには、全く外国に進出したことのない言語–なんでもいいですけど例えばエストニア語–の価値は英語やフランス語より価値が低いのか、という疑問があります。もう一つは、外国に植民地を多く持っていた国の言語–たとえばフランス語–は、植民地支配という、罪か功績かでいうとどちらかというと罪であるような過去によって、その価値を根拠づけられていいのかという疑問です。

何が言いたいかというと、「どれだけその言語が地球上で勢力を誇っていたか(誇っているか)で言語の重要性を決めるのが気にくわない」ということです。エストニア語よりフランス語の方が尊いということはありません。逆も然りです。しかも、フランス語が尊いのは、話者が多いからでも、昔フランスが強大な植民地帝国であったからでもなく、本質的にはフランス語そのものとして価値がある。うまく言えませんが、そのように考えたいのです。

じゃあ言語の価値は何で決まるの?

私は、外国語学習はちょうどスポーツや文化活動のようなものとしての価値があるのではないかと考えています。例えば野球をすれば健康に良いかもしれませんし、茶道をすれば礼儀が身につくかもしれません。でも、それはあくまで付随的な効果であって、野球を練習したり茶道を学ぶことそれ自体に喜びを覚えることはなんら不自然ではないでしょう。

これと同じように、平たくいえば「趣味で外国語を学ぶ」という風潮がもっとあってもいいのではないかということです。

これは完全に私の想像でしかありませんが、中にはこんな方もいるのではないでしょうか。

「なんとなく韓国語を初めてみた。まあ楽しいちゃ楽しいけど、韓国語できてもなんの役にも立たないし、韓国語やってる時間は英語の勉強をしよう」→韓国語をやめる

第二外国語を勉強することによって見えてくる世界があるかもしれませんし、ないかもしれません。学ぶことによって確実にメリットがあるのは確かに英語であったりその他話者の多い言語になってしまうのだと思いますが、「必要だ」とか「便利だ」などの動機でしか外国語学習を捉えられないのってなんかもったいなくないかなと感じるのです。

私のドイツ語学習のモチベーション

冒頭にも述べたようにドイツ語を勉強しているのですが、とくに目的はありません。将来の仕事で使うという目的であれば、もっと話者の多かったり国連公用語だったりする言語を勉強したほうがいいでしょう。

強いていえば、ドイツ人が書いた好きな本がいくつかあるので(哲学関係だったり小説だったり)、それらを原典で読めたらいいなというのはあります。しかし、それも「せっかく勉強してるのだから」という後付けの動機としての性格が強く、はじめたときは9割方ノリでした。

そんな適当なドイツ語学習において、今のところ一番のモチベーションになっているのは、発音への愛です(笑)

例として数字の発音を聞いてみてください(1:19~1:50あたり)

これをかっこいいと感じるか感じないかは人の感性だと思いますが、私自身は、個人的な好みとして、”r”や”ch”の固い感じや、全体的な力強い雰囲気が気に入っており、それをモチベーションとして今はドイツ語の勉強を楽しんでいます。

思えば、英語を勉強したての時にワクワクしていたのも、英語の発音が好きで、ネイティブスピーカーの発音を聞いたり、自分で発音してみるのが楽しかったからでした(ちなみに好きな単語はgirl, player, claimなどです。[ə]の発音や、破裂音と[l]の連続に興奮を覚えます)。

音声に興味のない方からすれば「何言ってんだコイツ」という感じだと思いますが、要はこれくらいどうでもいいというか、「仕事に使うから」という動機以外での外国語学習の形があってもいいのではないかというのが私の言いたいことです。

おわりに

今回は、「仕事の役に立つ」以外の観点から外国語学習を捉える価値観があっても良いのではないかという意見を書いてみました!

そうはいっても、ことばそれ自体に興味のない読者の方彼すれば、説得力がある内容ではなかったと思います。結局、私がドイツ語を勉強しているのは、無駄っちゃ無駄なのです。

「外国語を勉強したって役に立たないから意味がない」という意見に対するしっかりとした回答をあいにく私は今持ち合わせていません。対応策として、もしこのままドイツ語学習のモチベーションが続くのであれば、「仕事の役に立つからドイツ語に触れている人」以外の人々にドイツ語を使って価値を提供できる(喜ばせるでも、楽しませるでもなんでもいい)ような副業を、将来できたらなと考えています。それがなんなのか、最近よく考えていますが、今の所全く思いつきません。


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