難しい本を読むコツ:読む前に◯◯と◯◯を把握しよう!

哲学書や思想書、古典を読んでみた経験はありますか?もしくは、読んでみようとした経験は?

マルクスの『資本論』、ジャン=ジャック・ルソーの『社会契約論』、『論語』などなど、この世には名著とされて読み継がれている古典がたくさんあります。

昔の人や権威ある人の書いた本はきっとありがたいものにちがいないと思い読んでみるものの、「ちょっと何言ってるのかわからない」状態になって途中で投げ出してしまうことが少なくないのではないでしょうか?私自身も、このブログを書く少し前から様々な哲学書にチャレンジしては挫折を繰り返しています(ハイデガーに三連敗中。しかも入門書に)。

しかし、「一流のビジネスパーソンは哲学を学ぶ!」みたいな謳い文句を聞かないこともないですし、勉強できるものなら勉強したいですよね。

ところで、哲学に限らず、難解な学術文献や古典作品が読めないという悩みは、事前準備によってある程度克服可能だとというのが私の考えです。

その必要な準備とは、本文を読む前にネタバレあらすじ背景(執筆動機)を掴むことです。

今日は、この2つをどうやって知るのか、なぜこれらを事前に知ることがなぜ重要なのか、について解説したいと思います。


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ネタバレあらすじ(本文の要約)

読みたい本を決めたら、真っ先にネタバレあらすじを読みましょう。ここで私がネタバレあらすじと呼んでいるのは、その本の大きな流れと最終的な結論であったり、筆者が一番言いたいことだったり、他の学者の方々によく引用されている部分のことです。

ネタバレあらすじを読むには主に次の方法があるでしょう。なお、後述する背景(執筆動機)も、ネタバレあらすじ同様基本的に以下のソースから得ることになります。

・まえがき、あとがき(特に、外国人著者の本で、訳者まえがき・あとがきがある場合には絶対に先に読む)

・Wikipedia

・書評

専門家が書いた入門書・解説書

なぜ、ネタバレあらすじを読むのか?それは、その方が手っ取り早く学習効果を得られるからです。

たとえば、20世紀最重要哲学書の一つであるマルティン・ハイデガーの『存在と時間』などは、大学でハイデガーを専攻している学者のみなさんによって、10年や20年以上もかけて読み解かれています。難解なハイデガーの思想を理解しようと思えば、もちろんそれくらいの時間をかけて原著を何度も何度も読むしかいないのでしょう。

ですが、哲学者ではない私たちが、同じように一冊の本に10年もかけて読むのは有益なことでしょうか?もちろん、趣味として哲学を勉強するのであれば、その方が楽しいかもしれません。しかし、専門ではない難しい本を読む場合、その動機は「ビジネスに役立てたいから」「自分の専門分野の研究に必要だから」などの理由ではないでしょうか?そうであれば、なるべく早く理解できるに越したことはありません。

幸い、10年や20年かけておんなじ本をずっと研究されている学者の方々が、その知見を生かして「入門書」「解説書」といった類の本を出してくださったり、ポイントをブログにまとめたりしてくださっています。専門家の方々がそうして”攻略本”を出してくださっているのに、それを無視し、彼らと同量の労力をかけて本を理解するのは、失礼ではないでしょうか?それよりも、専門外の我々は、”攻略本”を使ってショートカットし、得た知識を使って自分の持ち場で社会貢献をしましょう。

補足:「そこまでいうなら本文を読まずにネタバレあらすじだけを読めばいいのではないか」という意見もあるかと思いますが、それはなるべく避けるべきだというのが私の考えです。とくに、理解した内容を何らかの形で発信する場合、本文を見ずに入門書で得た知識のみをベースにしてしまうと、伝言ゲームのように少しずつ内容が間違って伝わってしまう恐れがあります。ですので、私もブログで記事を書く際には、入門書・解説書を1~3冊読んでイメージを掴んだ後に、最低限記事で引用する部分だけでも原著を読んだ上で発信するようにしています。

背景(執筆動機)

ネタバレあらすじと並んでもう一つ、原著を本文を読む前に把握しておくべきなのが、その本が書かれた背景、言い換えれば筆者の執筆動機です。

どういう時代に、どういう問題意識をもって、何を擁護する(or批判する)ために書かれたものなのか。

たとえば、(哲学ではなく政治思想になりますが)中学生でもその名前は知っているであろうジョン=ロックの『統治二論』。社会科の教科書では「民主主義について書かれた本」として習うので、「政治学の本」としてのイメージが強いと思います。

しかし、最初からページをめくってみると、最初はほとんど聖書の話をしているのです。これは、同書が当時優勢だった王権神授説(国王はその権力を神様から与えられているから独裁して当然なのだという主張)への反論書として書かれたことに起因しています。論文の前半でロックは、聖書を引用しまくって「ほら、神様が国王に権力を与えたなんてどこにも書いてやんけ!」と指摘し、王権神授説を論破しました。ロックの政治思想は、以上のような神学的議論をベースとして展開されたものなのです。

以上の事を知らずに『統治二論』を読み始めた場合、「なんで聖書の話ばっかり出てくるの?いみわかんなーい!」となって挫折することになるでしょう。背景を知ってから読む事で、どの部分が本文全体の中でどういった役割を担っているのかを理解し、力を入れて読まないといけないところと、そうでないところを区別しながら最後まで読み通すことができるのです。

おわりに:読書の前にできる準備がある

今回は、難しい本を読む前には事前にネタバレあらすじ背景(執筆動機)を知ることが必要だということをお伝えしました。私が哲学書や思想書を読むときには、上述のようにまずは入門書やまえがき・あとがきなどでネタバレあらすじと背景を把握し、ある程度の方向性を頭に入れた上で、本文を読むという手順を取っています。

読書が続かなくて悩んでいる方は少なくないかと思いますので、また日を改めて、難解な本を読むときに実際に私が使っているテクニック的なものも紹介したいと思います!

※今回紹介したこと以外にも、「そもそも哲学書や思想書がなぜ難しいのか?」を頭に入れておくことで、メンタル的に楽になる部分もあります。その点に関してはこちらの記事にまとめてありますので、よかったらのぞいてみてください!! → 哲学書はなぜ難しいのか?:死後にも読んでもらうために


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