【その感覚は危険かも?】「レイプされたのが身内だったら」論に対する3つの批判

こんにちは!

「凡さんす」(@academicocktail)と申します。

ジェンダーや哲学について日々勉強・発信しています。

この記事では、性暴力に関連してときどき見かける、以下のような発言について検討していきたいと思います。

(レイプ事件のニュースを見て)レイプされたのが自分の身内だと思ったら辛くなった。だからレイプ反対!

「自分の身近な女性(恋人、娘、母..)がレイプされたと想像したら、性暴力を無くさなくてはならないと思った」

性暴力に問題意識を持つ男性には、こういったことを言う人が多いように見受けられます。

また、男性相手に性暴力問題の啓発をする際にも、

「あなたの娘がレイプされたと想像してみてください」

というメッセージが発されることが少なくありません。

一見真っ当な正義感のようにも思えますが、実はこのような考え方には危険な側面が含まれているのではないかというのが私の見解です。

2分ほどで読み終わる記事ですので、どうかお付き合いください。

「レイプされたのが自分の身内だったら…」が危険である3つの理由

「自分の身内がレイプされたら嫌だから」という理由で性暴力に反対する言動について、次の3つの点を批判したい思います。

・「身近かどうか」で規範を左右させてはいけない。

・性被害を受けた人の苦しみが「脇役」に追いやられる。

・身近な女性を「モノ」として見る感覚を内包している可能性がある。

「身近かどうか」で規範を左右させてはいけない

1つめは、被害者が身近かどうかで規範を左右させてはいけない、という点です。

「自分の娘がレイプされたと想像したら問題だと感じた」というのは、裏を返せば、赤の他人がレイプされるのはどうでもいいということです。

それは、ほんとうの意味での正義とは言えないでしょう。

全く知らない赤の他人にしろ、もしくは私が大っ嫌いで今すぐ死んでほしいあの人であっても、レイプされてはいけない。

このように普遍的に考えるのが真の道徳だと思います。

性被害を受けた人の苦しみが「脇役」に追いやられる

レイプ事件で最も優先されるべきは、被害を受けた当事者の感情です。

申し訳ありませんが、私たち非当事者がどう感じるかは、どうでもいいのです。

当事者でなくとも辛さを感じるのは別に構わないのですが、自分の辛さにばかり目が行って、被害を受けた当事者の気持ちが脇役に追いやられるのはどうかと思います。

身近な人であろうと、誰であろうと、被害を受けた人は、あなた自身にはわからない苦しみを抱えており、そっちの方が解決すべき課題なのです。

「身近な人がレイプされた」と想像した時にあなたが感じた怒りを、主役にしてはいけません。

身近な女性を「モノ」として見る感覚を内包している可能性がある

すみません、これは根拠の薄い邪推ですが、「自分の身内がレイプされたらおこ」という感情には、「その人が自分の所有物だから」という女性蔑視的な感情に由来している可能性があると思います。

特に、自分の恋人がレイプされたから嫌だ、という言動。その怒りには、「彼女が他の相手とセックスしたのが嫌だ」という感情が含まれていませんでしょうか。

パートナーを自分の”独占物”だと考える感覚からは、「抵抗すれば逃げられたんじゃないか」「隙があったんじゃないか」という被害者叩きの感情・言動が生じる場合があります。

このようなレイプされた相手を責める言動・行動は「セカンドレイプ」と呼ばれますが、これはしばしば性暴力そのものよりも本人を傷つけます(と、この前お話を聞いてきた性暴力被害者の方が言っていました → 参照:性暴力を知らない男性がフラワーデモに参加して

「自分のモノが汚された」ではなく、「あなた自身が辛かったんですね」と被害者に寄り添う姿勢を持っていれば、このような言動をしてしまうことを回避できるでしょう。

内心は自由ですが…

今回は、「自分の身近な女性がレイプされたら嫌だから」という理由で性暴力に問題意識を感じることの危険性について書きました。

もっとも、内心は自由なので、「身近な人の被害以外はどうでもいい」と思っていようが、心の中で身内の女性を「モノ」化していようが、実際に性暴力対策に向けて建設的な行動を起こすのであれば、全然問題はないでしょう。

ただ、「自分の身内がレイプされたと想像して」と怒りを感じたり、またそう発言するとき、

その感情が自分のどのような感覚に基づいているのか

反省的思考を持つことは必要だと思います。


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