履修相談会はサークルの仕事じゃない!!

昨日から大学が始まりました。晴れて大学生になれたたくさんの新入生が意気揚々とキャンパスを歩いています。サークルを全てやめてしまった私は、そんな光り輝く新入生と交わることもなく、図書館で文献と向き合って大学院という闇の世界へ入るための準備を進めるのみです。

さて、この時期、サークルの新入生勧誘の方法としてよく行われるものの一つに、「履修相談会」というものがあります。今日はこちらについて意見を述べていきたい思います。

履修相談会とは?

新歓こと新入生歓迎の時期に、サークルや部活動はなるべく多くの新入生を引き入れるために様々なことをします。例えば、バーベキューをする、活動を体験してもらう、バーベキューをする、お花見をする、バーベキューをする、などです。

その一つに、「履修相談会」と呼ばれるものがあります。文字通り、「授業の履修の方法やノウハウについて、上回生が新入生の相談に乗ってあげる」というものです。

大学生、もしくは大学を卒業された方ならおわかりだと思いますが、大学の授業の履修はものすごく難しいです。少なくとも私の学部ではそうでした。そのため、この履修相談会とは新入生にとって非常にありがたい機会ではあります。そして、サークルとしては新入生一人ひとりと関わることができ、相談会のついでに勧誘もしやすいため、新入生と上回生にとってwin-winな活動であると言えるでしょう。

さて、大学になれた先輩方が履修の仕方について教えてくれる履修相談会。新入生にとってはとてもありがたい機会ではあるのですが、サークルが、というより学生が行うことによって起こっている問題もあるかなと感じます。すなわち、大学の授業を「いかに効率的に単位を集めるかゲーム」として捉える傾向を助長してしまうという問題です。

bitwin’が受けた履修相談会

私も1回生のときにあるサークルの履修相談会に参加したのですが、そこで先輩方から頂いたのは以下のような言葉でした。

「◯◯先生は出席しとけば単位取れるよ」

「△△先生は厳しいからやめといたほうがいいよ」

話は進んで、どの授業を取るかから、大学の授業をいかに攻略するかについてまで先輩方はアドバイスを下さりました。

「レジュメを友達と交代で取ることで楽できる」

「レポートのほうがテストより楽に単位を取れる」

このように先輩方は、新入生が楽して単位が取れるように親身になってアドバイスをくださったのですが、反面、入学早々このような説明を受けた新入生の中には、大学の授業に対して「いかに楽に単位を取るか」という効率主義的パラダイムが形成されることになります。

そしてこのとき、大学教員、もしくは大学の授業は、「学生同士で協力して効率よく倒すもの」という位置付けに置かれます。「縦横に結束した学生と効率よく回収すべき単位」という対立関係が形成されるのです。

厳密に言えば、おそらく多くの新入生の側にもともとサボりたいという願望があるのであって、履修相談会によってそのような効率主義パラダイムの観念が一から形成されるのではないでしょう。それでも、手を抜く方法を教えてもらうことよってその方向に意識が向くのは間違いないはずです。

私は一回しか履修相談会を受けていませんし、自分が上回生になってからもしていないので、一般的に上記のようなことが発生しているかについてはなんとも言えません。しかし、いろいろな大学で多くのサークルが履修相談会をしている以上は、上記のようなケースは他にも一定数あるのではないかと推測しています。

サークルに罪はない

さて、上記の履修相談会以降、私は完全にとは言えないまでも多少「いかに楽に単位を回収するか」という効率主義的パラダイムに乗っ取って大学生活を送っていることがありました。友達にプリントの回収を全部任せて自分は授業に出なかったりしていましたが、1回生のときに受けた一般教養の授業など、もっと真面目に受けておけばよかった、授業からもっと何かを吸収できたはずだと非常に後悔しております(まあ、出なくてよかったと感じた授業も残念ながら多いのですが笑。それはさておき)。

これはサークルが悪いのではありません。間違いなく私自身の責任です。効率主義の考え方を伝えられても、またいくら授業以外にやりたいことがあると言っても、「せっかく大学に来たのだから授業から多くのことを吸収するのだ」という意志を持っていればその通りに行動できたはずでした。だから履修相談会を行ってくださった先輩方は何も悪くありません。

そもそも、サークルが履修相談会を行う目的は、「先輩優しい!」と思ってもらってサークルに入ってもらうことにあるので、サボる方法という、ある意味でわかりやすく有益な情報を提供することは、非常に目的合理的であり、サークルの履修相談会としてはあるべき姿にあるともいえます。

もっというと、確かに大学で個人が何に時間を割くかは個人の自由ですので、例えば勉強は最低限にしてこれを頑張りたいというのがある人には、このような効率主義的方法の教授はありがたいものに違いありません。

ただそうは言っても、大学に来たからには、効率良く単位を取ることだけではなくて、将来社会に出た時に役立てるような知見を授業から得るという、学習の効果性の側面にも目を向けるべきではないかと思います。

したがって、履修相談会をするにしても、手を抜く方法を教えるばかりではなくて、「学びたいことは何か?学ぶべきことは何か」について”相談”に乗ってあげて、新入生が今後の大学生活で楽しく生き生きとした学びを進められるようにサポートするような機会であれば面白いと思うのです。

ただ、サークルの履修相談会にそれを期待することは難しいでしょう。何故ならば一つには、先に述べたようにサークルの利害は新入生の好感度を得て会員を増やすことにあるから。もう一つには、そもそも学生には一つひとつ授業の内容や効果について正確に伝える知識はない。

ではどうするべきか。

ほんとうは大学にやってほしい

私は、大学のスタッフ、できれば大学教員に履修相談会をしてほしいなと思います。例えば、英語の授業の履修について、英語の教員が以下のように相談を受けることと想定してみましょう。

教員「どんな英語の勉強をしたいか、イメージはありますか?」

新入生「いや、はっきりとは決まっていなくて……」

教員「そうですか、将来英語を使ってこんなことしたいみたいな展望はありますか?」

新入生「将来何をしたいかも決まってないので、よくわからないですね……あまり海外に興味もありませんし、英語の授業はとにかく楽なのがいいです」

教員「そうですか、英語が好きではないのですね。そうなったのはいつからか覚えていますか?」

教員「中学校で習い始めた時は、なんとなく言われるがままにやっていたのですが、高校に入って英単語が覚えるのが辛すぎて嫌になりました」

教員「じゃあ、とりあえず筆記テストの多い私の授業はやめておいたほうがいいかもしれませんね。英語を使っていて楽しいと感じた時はありますか?」

新入生「楽しいというか、以前、外国人観光客に突然道を聞かれた時に、なんとか身振り手振りを交えて伝えることができた時は、少し嬉しく感じたことはありますね」

教員「それは良い経験ですね。話すのは、紙の上での勉強に比べれば嫌いではないと」

新入生「まあ、強いて言えば、ですけどね」

教員「じゃあ、リーディングライティング一切なし、少人数で会話を中心に行うこの授業はいかがでしょうか?担当教員はネイティブスピーカーの方ですが、受講生の平均的英語力は毎年そこまで高くないのでついていけないことはないと思います」

……

上記の例はあくまでもイメージであり、実現可能性が低いのは間違いありません。新入生が初対面の教員に対してこんなに正直に話すことはないでしょうし、ひとりひとりのニーズにぴったり合う授業があるわけありません。そもそも一人ひとりの学生に対して教員がこんな風に時間を割けるとは考えられません(大学教員ってものすごく忙しいらしいです)。

ただ、なんとかこれに近い形で、「単位を取りやすい授業を教えてあげる」という効率主義ではなく、「何を学びたいか」という学習の結果に焦点を当てた効果主義的なパラダイムで新入生が履修について考える時間を、大学側が提供してくれてもいいのではないかと思います。

大学生にとって大学あるいは大学教員は敵ではないはずです。それがいつのまにか、「この先生はこういうふうにやったら一番楽に単位をくれる」という形で、学生にとって目を欺く対象になってしまうことが多く見受けられます。まだモチベーションの高い入学直後の時期に、学生一人ひとりが自分の学びについて真剣に考える機会を設け、大学側がそれをサポートしてあげる。そうすることによって、学生が教養を身につけるという目的に対して学生自身が意識的になるとともに、その目的に向けた学生と大学の協力関係が築けるのではないでしょうか。

まとめ

私は、すべての人が学問を志すべきだとは思っていません。むしろ、実務(ビジネス)と学問で大雑把に分類した場合、前者のほうが重要だとすら思っています(とくに文系の場合)。知は実社会における問題解決のサポートになるだけであり、直接的な効果は及ぼしませんから。

ですが、せっかく大学に来たからには、その人の将来の人生を豊かにするような、その人のキャリアにおいて何かヒントになるような教養を身につけることができればいいのになと思います。

新入生の学習計画について大学側が介入して一緒に考えてあげることは、また一人でも多くの学生が大学での学びを効果的に進めることにつながるのではないでしょうか。問題は、どうやって実現するかですけどね。


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