小学生が理解でき、数学者が解けない問題「コラッツの予想」

こんにちは!今日は数学の記事です!

以前の記事では、360年もの間未解決であり続け、数十年前になってやっと解かれた数学の問題「フェルマーの最終定理」を紹介しました(「フェルマーの最終定理から見える数学の難しさ」)。それに対して今回は、1930年代に提示されて以来未だ解決されていないコラッツの予想」(Collatz conjecture)という数学の問題を紹介します。

コラッツの予想とは?

適当に好きな自然数nを思い浮かべて、それに対して以下の操作を行ってみてください。

nが奇数なら:3倍して1をたす

nが偶数なら:2で割る

この操作を繰り返し行っていくと、全ての数が最終的に1になる、というのが予想の内容です。

例えば、最初の数字を6とすると、

6 → 3 → 10 → 5 → 16 → 8 → 4 → 2 → 1

というふうにです。この操作において、最初にどんな数を設定しようとも、最終的には1になる、これがコラッツの予想になります。

この問題は、予想と呼ばれていることからも分かれている通り、まだ解決されていない問題です。

コンピューター計算を用いてこの問題に取り組んでいるRechenkraft.net(http://www.ericr.nl/wondrous/pathrecs.html)によれば、87.260(だいたい1020)までの全ての整数では成り立つ(=計算を繰り返すと1になる)ことがわかっているそうです。しかし、無限にある自然数に対してこれが成り立つ、という証明は未だにされていません。小学生でも理解できる問題設定なのに、証明は難しいというのはとてもおもしろいことだと思いませんか?

少しだけ格闘してみた

さて、記事にするからには単なる事実の紹介で終わりたくはないと思い、完全文系の門外漢ですが、すこしだけ問題に取り組んでみました。以下は、おそらく数学の専門家の方々ならとっくにたどり着いているか通り越している知見だと思いますが、自分なりの成果物ということで載せておきます。

コラッツの予想がいかなる形で証明できるのか、推論してみます。

例外がある場合、その性質

コラッツの予想の例外、すなわち計算を繰り返して1にならない自然数がある場合、それは次のいずれかの性質を持っていることになります。

①上記の操作を行っていくと、無限に大きくなる

②上記の操作を行っていくと、ある時点で1以外の別の数に戻ってきて循環する。

今回は①についての検討は外して、②のようにもし循環する整数があるとしたら、それはどのような性質を持っているのかを調べてみたいと思います。

ちなみに、コラッツの予想は、それが全ての奇数について成り立つことのみを証明できれば十分です。なぜならば、偶数は結局コラッツの予想のルールだと奇数になるまで2で割られ続けるので、全て奇数に落ち着くからです。ですので、以下では奇数のみについて考えていきます。

計算

では、コラッツの操作を行うと循環する奇数が存在すると仮定して、それをaとおきます。すなわち、aから出発して3倍して1を足したり2でわっていくと、いつかまたaに戻ってくる、ということです。以下、いくつかの場合に分けてaの性質を調べていきます。

(i) まずは、最も単純な、aを1回3倍して1を足した後、あとは何回か2で割っていく(=適当な整数pをおいて、2pでわる)と1になる場合。

aは以下の等式で表すことができます。

これをaについて解くと、

となります。aが自然数である(1より小さくはならない)以上、このような数は、pに2を入れてa=1以外にはありえません。

(ii) 次に、3倍して1を足す作業が2回必要な場合。すなわち、aが以下のような過程を経てa自身に戻るような場合です。

(1) aを3倍して1を足す

(2) 2で何回か割る(=適当な整数p1をおいて、2p1でわる)

(3) 奇数になったら、その数を3倍して1を足す

(4) 2で何回か割る(=適当な整数p2をおいて、2p2でわる)

(5) aに戻る。

このような数aは、上記と同様のやり方で、次のように表現できます。

そしてこれをaについて解くと、以下のようになります。

(iii) 同じように、今度は3倍して1を足す動作が3回必要な場合、すなわち、aが以下のような過程を経てa自身に戻るような場合についても調べてみます。

(1) aを3倍して1を足す

(2) 2で何回か割る(=適当な整数p1をおいて、2p1でわる)

(3) 奇数になったら、その数を3倍して1を足す

(4) 2で何回か割る(=適当な整数p2をおいて、2p2でわる)

(5) 奇数になったら、その数を3倍して1を足す

(6) 2で何回か割る(=適当な整数p3をおいて、2p3でわる)

(7) aにもどる

計算は省略しますが、この時aは次のように表される数になります。

(i)~(iii)の作業から考えて、3倍して1を足すという過程をn回伴ってa自身に戻る奇数aは、次のような形を満たしていなければならないはずです。(厳密な証明ができないところ恐縮ですが)

したがって、上記のような形をとる1以外のaが全てのnについて存在しないことを証明できれば、少なくとも1に戻ることなく循環する自然数はないことは証明できると思います。

もっとも、最初に確認したように、コラッツの予想が当てはまらない数とは、循環する以外にも無限に大きくなる、というパターンもあるので、ほんとうに証明しようと思ったらそちらの方も検討しないといけないのですが。

おわりに

比較的容易に理解できる数学上の未解決問題は、他にもいろいろあります。例えば、「ゴールドバッハの予想」(Goldbach’s conjecture)として知られる次の問題。

4以上のすべての偶数はすべて2つの素数の和で表せることを証明せよ。

例えば、

4 = 2 + 2

6 = 3 + 3

8 = 3 + 5

10 = 3+7

12= 5 + 7

こちらもものすごく大きな数まで当てはまることが計算により示されていますが、未だに「どんな大きな偶数にも当てはまる」ことは証明されていません。

私たちも暇つぶしに考えてみたら、世界中の全数学者よりも先に証明を閃くことができるかもしれませんね!(たぶん無理)

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