アーレントを学ぶなら、おすすめの本はこの5冊【哲学の楽しい学び方も解説】

アーレントという哲学者の思想が面白いと聞いた。勉強してみたいけど、何から手をつけたらいいかな〜

こんにちは!

「凡さんす」(@academicocktail)と申します。

政治学専攻ですが、哲学が好きでよく勉強しています。

ハンナ・アーレントのという学者をご存知ですか?

20世紀に活躍したユダヤ人政治哲学者です。

2012年には映画も出ていますし、聞いたことがあるという方はもしかしたら多いかもしれません。

また、哲学、平和学、政治学など、多くの文脈で取り上げられる学者ですので、その思想に関心を持ち、「勉強してみたい!」と感じている方もいらっしゃるでしょう。

とはいえ、いざ勉強しようと思っても、本がありすぎて何から読んだからいいかわかりませんよね。

ということで、今回は、「前提知識なしの状態からアーレントを勉強してみたい!」という方向けに、おすすめの本を5冊紹介します。

2分ほどで読める記事ですので、どうかお付き合いください。

はじめに:哲学を勉強する3ステップ

哲学の勉強の仕方は人それぞれだと思いますが、私は、次の3つのステップで勉強を進めています。

①伝記を読み、その学者の人柄・人生について知る

②思想の入門書・解説書を読む

③その人自身の著作(原著)を読む

<まずは、思想はさておいて「その人自身」について知る → 関心を持ったら、専門家の解釈を借りて、思想を勉強してみる → ある程度理解できたと感じたら、原著を読んで自分なりの解釈を育てる>

という順番ですね。

このフレームに沿って、アーレントを勉強する上でおすすめの本を紹介していきます。

①アーレントの伝記おすすめ

アーレントの人となり・人生を知るには、中公新書の『ハンナ・アーレント – 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者』がおすすめです。

全部でp.239と短く、生い立ち・ナチスからの迫害、恋愛、学者仲間との交流や死別など、印象的なエピソードがふんだんに盛り込まれていますので、興味を持ちやすいかと思います。

それでいて、アーレントの思想の核の部分は解説できていますので、これを読んだだけでも十分教養にはなるはずです。

②アーレント思想入門書・解説書おすすめ

伝記でアーレントの人となりに触れてみて、もし興味を持ったのであれば、思想の勉強に入りましょう。

とはいえ、いきなり原著を読むのは難しいので、まずは現代の哲学史家による解釈が加えられた「入門書」や「解説書」を読むことから始めます。

アーレントの入門書・解説書としては、次の2つがおすすめです。

①『ハンナ・アーレント「人間の条件」入門講義』

アーレントの代表作である『人間の条件』について、わかりやすく解説しています。

『人間の条件』はもともと英語で書かれ、のちに彼女自身によってドイツ語訳された作品ですが、日本語に訳す時にニュアンスをうまく反映しづらい箇所が多々あります。

また、過去の西洋思想やギリシヤ神話などからの引用が多いため、背景知識がないとそもそも理解が不可能な箇所も少なくありません。

『ハンナ・アーレント「人間の条件」入門講義』では、そのようなハードルにうまく対処しつつ、日本人読者にわかりやすい形でアーレントの思想がうまくまとめられています。

②『ハンナ・アレントの政治理論』

上の本は、『人間の条件』単体にしぼった入門書でしたが、こちらは、アーレントのいくつかの著作を横断し、それぞれの関係性を示しながら、彼女の思想をまとめています。

問題点としては、カント・ヘーゲルなど、別の哲学者の思想との関係性に触れながら話が進むため、西洋思想の知識が全くない場合にはきついということが挙げられます。

そのため、薄めの本で構いませんので、西洋思想を通史で勉強してから読んだ方が効果的かもしれません。

③アーレントの著作おすすめ

入門書・解説書を読んで思想のイメージがぼんやりとでもつき、「まだ物足りない」と感じたのであれば、アーレント自身の著作を読んでみましょう。

アーレントは20冊近くの本を出していますが、個人的に、一般人(アーレント研究を志すのではない人)が読んで学びが大きいかと思うのは、次の2冊です。

①『人間の条件』

非常にざっくり解説すると、この本では、私たち人間が「行うこと」を次の3つに分けています。て、それぞれの特徴について考察しています。

◯生活のために消費物を生みだす「労働」

◯新しい道具や芸術作品を人間社会に提供する「仕事」

◯人との交わりの中で自分の人格を表現する「活動」

この3つの「活動的生」それぞれの特徴について、人類史を振り返りつつ考察したのち、終盤では、機械化が進んだ現代社会における人間のあり方について批判を行います。

非常に面白い本ですが、かなり難しいです。

上にも書いた通り、アリストテレス、マルクス、カントなど、過去の哲学者の学説、またギリシャ神話における逸話などを頻繁に引用しながら話が進むので、前提知識がないと厳しいかもしれません。

※また、アーレントにとって第二言語である英語で書いているゆえに、必要以上に読みにくくなっているということも言われています(訳者解説p.533より)。

そのため、前節で紹介した『ハンナ・アーレント「人間の条件」入門講義』を読んでから、もしくは手元に置いて確認しながら読むことを強くおすすめします。

②『責任と判断』

もう一つおすすめな作品がこちらです。

この本は、厳密にはアーレントの著作ではなく、後期アーレントのインタビューや小論をまとめた記録になっています。

ですので、文体も比較的やわらかく、また前提知識がそこまでなくてもある程度意味のわかる箇所が多いので、「がっつりアーレントを勉強とは思っていない」という方にも割とオススメできます。

「罪」「責任」「善悪」

などのワードにビビッと来る方は、ぜひ手に取ってみてください。

おわりに

今回は、ユダヤ人政治哲学者アーレントを勉強するにあたっておすすめの本を、3ステップに分けて紹介してきました。

アーレントに限らず、哲学を勉強する際には、

伝記 → 入門書・解説書 → 原著

の順番がスムーズだと思います。

難しい思想から入るよりも、まずは「その人自身」に興味を持つ方が、学習も継続しやすく、結果として得られる知識も多いです

気になった方は、さっそく伝記からどうぞ!(リンクを再掲しておきます)


最後までお読みいただきありがとうございました!記事の更新等はTwitterでお知らせしていますので、この記事が「役に立った」「面白かった」と思う方は、フォローお願いします!→ @academicocktail


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